• SQL
• SQL の分類
• データ型
• シーケンス
• 演算子
• 表定義
• 索引
• 視点
• トリガー
• ルール
• スキーマ
• 情報スキーマ
• PREPARE, EXECUTE 文
• カーソル
• ドメイン定義
• 関数定義
• 権限
• 組込み関数
• トランザクション

■SQL

• 表の操作を行うためには、SQL (Structured Query Language)を使用します。

• SQL (Structured Query Language)は、関係型データベースでデータベース・オブジェクトに対する定義や変更、データ操作を行うための言語です。

• ANSI および ISO にて標準化が進められており、現在は、SQL92 と、SQL92 にオブジェクト指向的な要素を取入れた SQL99 が用いられています。

• 「非手続き言語」とも呼ばれ、データを取り出す手順を考慮せず、何をしたいかのみを指定します。例えば、表からデータを照会するためには必要な列名と条件のみを指定します。

• 自然言語（英語）表現で記述できるため使いやすく覚えやすい言語です。

• また、集合操作ができる言語です。集合操作とは、ひとつつの命令で複数行の処理ができる操作をさします。

• なお、SQL 文を記述する際に、キーワードや名前は大文字・小文字を問いません。

■SQL の分類

• つぎのような分類があります。ただし、分類はデータベース・ベンダーによって、違う場合があるので、注意が必要です。

  • DML

  • DDL

  • DCL

  分類		PostgreSQL	DB2	Oracle
  Query(*)	データ照会	-	-	SELECT文
  DML	データ操作	SELECT文, INSERT文, UPDATE文, DELETE文	SELECT文, INSERT文, UPDATE文, DELETE文	INSERT文, UPDATE文, DELETE文
  DDL	データ定義	CREATE TABLE / ALTER TABLE / DROP TABLE 文, CREATE VIEW / DROP VIEW 文, CREATE INDEX / DROP INDEX 文, TRUNCATE 文, GRANT文、REVOKE文	CREATE TABLE / ALTER TABLE / DROP TABLE 文, CREATE VIEW / DROP VIEW 文, CREATE INDEX / DROP INDEX 文,	CREATE TABLE / ALTER TABLE / DROP TABLE 文, CREATE VIEW / DROP VIEW 文, CREATE INDEX / DROP INDEX 文, TRUNCATE 文
  DCL	データ制御	START TRANSACTION文、 COMMIT文、ROLLBACK文	GRANT文、REVOKE文	GRANT文、REVOKE文
  	トランザクション制御	-	START TRANSACTION文、COMMIT文、ROLLBACK文、SAVEPOINT文	START TRANSACTION文、COMMIT文、ROLLBACK文、SAVEPOINT文

■データ型

• つぎのようなデータ型があります。
  • 数値型
  • 通貨型
  • 文字列型
  • バイナリー列型
  • 日付 / 時刻型
  • 論理値型 (BOOLEAN)
  • 幾何型
  • ネットワーク･アドレス型
  • ビット列オブジェクト識別子型
  • 擬似データ型
  • OID
  • ラージ・オブジェクト
  • 配列

  分類	SQL 列型	Java データ型	リテラル例
  数値	TINYINT	byte	0, 12, -345
  	SMALLINT, INT2(*)	short
  	INTEGER, INT, INT4(*)	int
  	BIGINT, INT8(*)	long
  	REAL, FLOAT, FLOAT4(*)	float	0.0, 12.34, -345.0
  	DOUBLE, FLOAT8(*)	double
  	NUMERIC, DECIMAL	java.math.BigDecimal
  論理値	BIT	boolean	true, false, 0, 1
  文字列	CHAR	String	'Hello'
  	VARCHAR, TEXT(*)	String
  日付 / 時刻	DATE	java.sql.Date	'2006-07-01'
  	TIME	java.sql.Time	'14:06:32.123456'
  	TIMESTAMP	java.sql.Timestamp	'2006-07-01 14:06:32.123456'
  ラージオブジェクト	BLOB	java.sql.Blob	-
  	CLOB	java.sql.Clob	-

  (*) PostgreSQL 独自の型

■シーケンス

• 順序型のデータベース･オブジェクトです。

■演算子

• SQL 文には、演算子を指定することで、演算ができます。

• 演算の結果を確認するには、SELECT 文を使います。たとえば、加算を確認するときには、以下のような SELECT 文を書きます。

  □PostgreSQLの場合

  SELECT 10 + 20;
  

  □DB2の場合

  SELECT 10 + 20 FROM SYSIBM1.SYSDUMMY
  

  □ORACLEの場合

  SELECT 10 + 20 FROM DUAL;
  

■算術演算子

+ (単項)
- (単項)
+ (和)
- (差)
* (積)
/ (商)
% (剰余)(*)
型変換

 (*) PostgreSQL 独自仕様

■文字列連結

||

■関係演算子(比較演算子)

> (大きい)
>= (以上)
< (小さい)
<= (以下)
= (等しい)
!= (等しくない)

■論理演算子

    
AND (論理積)
    
OR (論理和)
    
NOT (論理否定)

• 真理値表

a	b		a AND b	a OR b	NOT a
false	false		false	false	true
false	true		false	true	true
true	false		false	true	false
true	true		true	true	false

■型キャスト

• 型キャストは、あるデータ型から他のデータ型への変換を指定します。

  
  CAST(expression AS type)
  expression::type (*)
  
  

  • (*) PostgreSQL独自仕様

■日時

• 取得するデータ	特殊レジスター	取得される型
  日付	CURRENT_DATE	DATE型
  時刻	CURRENT_TIME	TIME WITH TIME ZONE型
  	LOCALTIME	TIME型
  日時	CURRENT_TIMESTAMP, NOW()	TIMESTAMP WITH TIME ZONE型
  	LOCALTIMESTAMP	TIMESTAMP型

  □ 日付の演算

  加算	SELECT CURRENT_DATE + INTERVAL '100 DAYS';
  減算	SELECT CURRENT_DATE - INTERVAL '100 DAYS';
  日付の差	SELECT CURRENT_DATE - '2000-01-01';

  □ EXTRACT 関数

  => SELECT EXTRACT(YEAR FROM '2004-10-13 16:10:25'::TIMESTAMP);
   date_part
  -----------
        2004
  (1 行)
  

  => SELECT EXTRACT(MONTH FROM '2004-10-13 16:10:25'::TIMESTAMP);
   date_part
  -----------
          10
  (1 行)
  

  => SELECT EXTRACT(DAY FROM '2004-10-13 16:10:25'::TIMESTAMP);
   date_part
  -----------
          13
  (1 行)
  

  => SELECT EXTRACT(DOW FROM '2004-10-13 16:10:25'::TIMESTAMP);
   date_part
  -----------
           3
  (1 行)
  
      (注) DOWは曜日。日曜日 = 0
  

  => SELECT EXTRACT(YEAR FROM '3 YEAR 4 MON 5 DAY'::INTERVAL);
   date_part
  -----------
           3
  (1 行)
  

■表定義

• 表(テーブル)は、関係型データモデルを実現している関係型データベースにデータを格納する基本的な要素です。

• 関係データ・モデルではデータを下図のように行（Row）と列（Column）から構成される表（Table）で表現します。

• この表には以下の特性があります。
  • 表中のデータは値で表現する（空白値を許す）
  • 1行の各列の項目は単一の値を持つ
  • ひとつの表に同じ行は許さない
  • ひとつの表に同じ列名は許さない
  • 行の順序は任意である
  • 行の列の順序は任意である

• PostgreSQL では、この表を定義するため、つぎのような項目を表定義で用いることができます。
  • 制約
  • デフォルト値
  • 一時表
  • 継承

■索引

• 索引はデータの検索を高速にする仕組みです。

• 索引を使用するかどうかは、検索実行を決めるプランナーによるので、定期的な ANALYZE 文を実行する必要があります。

■視点

• 視点(ビュー)は、検索処理で取り出せる検索結果をあらかじめオブジェクトとしたものです。

• PostgreSQL では、視点は読み取り専用で、更新する場合には、別にルールを作成し、それを利用する形になります。

■トリガー

• トリガーは表に対して INSERT、UPDATE、DELETE 文が実行されると連鎖的に実行される処理を定義します。

• 引き金になった SQL 文も実行されます。

■ルール

• ルールは、PostgreSQL での概念です。

• ルールは、表や視点に対する操作を行う SQL 文を書き換える仕組みです。

• トリガーと違い、ルールはもともと実行されようとした操作は実際には行われません。

■スキーマ

• スキーマは、表などのデータベース･オブジェクトを格納するためのデータベース･オブジェクトです。

• PostgreSQL では、スキーマを作成しない場合、デフォルトで作成されている「PUBLIC」スキーマが使用されます。

• 格納されているスキーマが異なれば、同じ名前のオブジェクトを作成することもできます。

• オブジェクトは、オブジェクト名のみが指定された場合、スキーマ検索パスによって検索されます。明示的に「スキーマ名.オブジェクト名」と指定することもできます。

■情報スキーマ

• 情報スキーマは、標準 SQL に準拠するデータベース間で共通に利用できるデータベース･システム情報にアクセスするためのデータベース･オブジェクトです。

• システム･カタログに似ていますが、異なります。

■PREPARE, EXECUTE 文

• PREPARE 文は、実行したい SQL 文をあらかじめ解析しておく仕組みです。プランナーが実行プランを事前に作成するので、複雑な SQL 文を実行する場合は、実際の実行にかかるまでの時間を短縮することができます。

• PREPARE 文で準備した SQL 文を実行するのが EXECUTE 文です。

■カーソル

• カーソルを利用すると、検索結果表からの行の取り出しを 1 行単位で行うことができます。

• カーソルには、順方向にしか移動できないものと、自由に移動できるものがあります。

• カーソルの移動は、カーソル操作関数を利用します。

• PostgreSQL では、カーソルは読み取り専用なので、更新処理を行うことはできません。

■ドメイン定義

• ドメインは、基本のデータ型に対してあらかじめ制約やデフォルト値を設定したものとして定義します。データ型のかわりに表定義で列のデータ型としてドメインを利用できます。

• ドメイン定義は、ユーザー定義型ともいいます。

■関数定義

• SQL 文が実行できる SQL 関数以外にも、PL/pgSQL などの手続き型言語を使った関数を定義することができます。

■権限

• データベース･オブジェクトに対して操作を実行するには、操作を行うユーザーに対して適切な権限が与えられている必要があります。

• 権限を与えるのは、GRANT 文を使います。

• 権限を取り除くのは、REVOKE 文を使います。

■組込み関数

• 組み込み関数にはつぎのような種類があります。
  • 集約関数
  • 算術関数、演算子
  • 文字列関数
  • 時間関数
  • システム情報取得関数

■トランザクション

• "トランザクション" はすべてのデータベースシステムで基礎となる概念です。トランザクションの基本的要点は複数の手順を単一の「すべてか無しか」の操作にまとめあげることです。手順の進行途中の状態はほかの動いているトランザクションからは見えません。
  • COMMIT、ROLLBACK 文
  • トランザクション分離レベル
  • 暗黙的ロック、LOCK 文、行ロックと表ロック
  • LISTEN、NOTIFY 文